リバプールvsチェルシーのCOC準決勝。ボール支配率61%、シュート19本、パス631本、コーナーキック7本。スタッツだけを見るとあらゆる面でレッズがチェルシーを大きく上回り圧倒したかのように思えます。しかしながら先制したのはチェルシー。ジャンのファールでPKを取られ、それをアザールが淡々と沈める。この失点を「不運」と片付けてしまうのは簡単ですが、「リズミカルにボールを回しつつ攻め立てているのに得点が入らず、つまらないミスから勿体ない失点」、今季幾度となく聞かれたこんな物言いとモウリーニョの好むスタイルを考えると、ある程度見切られていた上での失点だったのかもしれません。
「攻撃は最大の防御」という言葉の通り、サッカーでも長くボールを保持していれば相手に攻撃する時間を与えずに済むはずです。しかしながらリバプールはその利点を生かせていないどころか欠点を晒してしまっています。カウンター攻撃が効率良く得点機会を生み出すことは周知の事実ですが、ボールを保持するということはそれを被る危険を背負うということ。つまりリスクヘッジができないままポゼッションをしようとすると痛い目に合うのは避けられません。最近のリバプールは陣形を工夫したりルーカスを常時起用したりして、改善してきてはいるもののやはり隙があります。60%近くボールを支配したリーグの大一番、ホームでのアーセナル戦でも2失点を喫し勝点1に留まってしまいました。

さて、チェルシーの先制点を振り返ってみましょう。アザールがPKを獲得するまでの一連の流れは、ジェラードの強烈なミドルをクルトワが弾き、押せ押せムードの中で得たコーナーキックに対する逆襲からでした。また失点後、点を取ろうと前のめりになり過ぎたことで終盤でもないのにDF1枚に対してチェルシーの選手が3人いるという形でカウンターを受けそうになる場面もありました。2失点目を喫したら試合は殆ど決まってしまいます。

もちろん攻撃の面では、ボールを保持できる時でも執拗に裏と逆サイドを狙い早いタイミングでスイッチを入れるなど、選手の色を生かした戦い方が結果を出し始めています。事実チェルシーを相手に同点に追いつきその後も好機を作りました。監督がチームを整え始めているのは間違いありません。

試合は結局1-1の引き分け。ウェンブリー行きは要塞スタンフォードブリッジで行われるセカンドレグ次第となりました。戦力が噛み合い出し、スタリッジも復帰間近、なんとしても勢いに乗りたい時期だからこそ、脇を締めて結果に拘ってほしい次第です。

2015.01

「試合をコントロールしていた」のはブレンダンか、それともジョゼか～COC準決勝1stLegリバプールvsチェルシー～